くも膜下出血とは?症状・検査・治療と治療後の経過
突然の激しい頭痛は、迷わず119番へ
突然の激しい頭痛や意識の異常があるときは、くも膜下出血など緊急の対応が必要な病気の可能性があります。119番に連絡し、指令員の案内に従ってください。 出典1
くも膜下出血の治療は、出血した血管への処置だけで終わるわけではありません。ご本人やご家族が説明を受ける際に、今の治療が何を目的としているか、次にどのような変化に注意するかを整理するための基礎知識です。

脳の表面にある空間への出血
脳は硬膜、くも膜、軟膜という膜に覆われています。くも膜と軟膜の間の「くも膜下腔」には血管が通り、脳脊髄液が流れています。この空間に出血した状態が、くも膜下出血です。 出典2
主な原因は、脳の動脈にできたこぶ「脳動脈瘤」の破裂です。頭のけがや血管の異常などが原因になる場合もあります。出血の有無とともに、どこから、なぜ出血したかを調べます。 出典2
頭痛の強さだけでは判断できない
急に始まる強い頭痛が代表的な症状で、吐き気や嘔吐、意識がはっきりしなくなる症状を伴うこともあります。一方、出血が少なく、頭痛が比較的軽い場合もあるため、強さだけで判断はできません。 出典2
突然の頭痛や、顔・手足・話し方の急な異常があれば、救急要請の対象になります。記事を読み続けて病名を確かめようとせず、119番で状況を伝えてください。 出典1
出血と、その原因を調べる検査
頭部CTなどで出血を調べます。ただし、出血量や発症からの時間によっては、CTで判断しにくい場合もあります。症状と検査結果を踏まえて、医師が追加検査の必要性を検討します。 出典2
出血が確認されたら、CT血管撮影や脳血管撮影などで原因の血管を調べます。血管の形や周囲との関係を確認し、治療の方法を検討するための検査です。 出典2
再出血を防ぐ処置と、全身の管理
動脈瘤の破裂が原因であれば、再出血を防ぐために動脈瘤を処置します。主な方法は、頭を開けて動脈瘤の根元を閉じるクリッピング術と、カテーテルを使う血管内治療です。コイル塞栓術では、動脈瘤の中にコイルを入れて血流を遮断します。 出典3 出典4
治療方法は、動脈瘤の場所や形、ご本人の状態を合わせて判断します。出血源への処置と並行して、呼吸や血圧など全身の管理も行われます。動脈瘤を処置できたことと、病気による影響から回復したことは分けて考える必要があります。 出典5
治療後も経過を観察する理由
発症後には、脳の血管が狭くなる「脳血管攣縮」や、遅れて脳への血流が不足する「遅発性脳虚血」に注意します。両者には関係がありますが、遅発性脳虚血には血管攣縮以外の要因も関わるため、同じ意味ではありません。 出典7
また、脳脊髄液の循環が妨げられ、「水頭症」が起きることがあります。急に症状が出る場合も、ゆっくり変化が現れる場合もあります。全員が決まった順番で合併症を経験するわけではありません。 出典6
医療チームは、意識や体の動きの変化、画像などを確認しながら対応を判断します。ご家族が説明を受ける際は、今どのような合併症を観察しているのか、処置が必要なら何を目的とするのかを尋ねると、治療の流れを把握しやすくなります。 出典5 出典6
リハビリと退院後の相談
リハビリの内容は、病状や治療後の状態に合わせて検討します。手足の動きだけでなく、記憶や注意、気分の変化など、外からは分かりにくい困りごとにも目を向けます。退院前には、生活で必要な支援を医療チームと確認してください。 出典5
退院後も、治療した動脈瘤の状態などを画像で確認することがあります。次の検査の目的と時期、変化があったときの連絡先を聞いておくと、通院中の相談にも役立ちます。 出典5
医療チームに聞いておきたいこと
- 出血の原因と、行った処置は何ですか
- 今、特に注意している合併症は何ですか
- リハビリの内容や進め方は、何を見て判断しますか
- 退院後の画像検査と相談先を教えてください
出典・参考資料
- 厚生労働省|こんな時は迷わず119へ(資料日:表示日不明/確認日:2026-10-26)
- 慶應義塾大学病院 KOMPAS|くも膜下出血(資料日:2025-05-22/確認日:2026-10-26)
- 日本脳神経血管内治療学会|脳動脈瘤について(資料日:表示日不明/確認日:2026-10-26)
- 国立循環器病研究センター|脳動脈瘤(資料日:表示日不明/確認日:2026-10-26)
- American Heart Association|2023 Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage Guideline: Top Things to Know(資料日:2023-05-22/確認日:2026-10-26)
- 近畿大学医学部 脳神経外科|水頭症一般(資料日:表示日不明/確認日:2026-10-26)
- 日本集中治療医学会雑誌|くも膜下出血後の脳血管攣縮と遅発性脳虚血(資料日:2021-11-01/確認日:2026-10-26)
情報確認日:2026年10月26日。
本記事は一般的な情報提供を目的としています。診断・治療については医師にご相談ください。