未破裂脳動脈瘤が見つかったら?経過観察と予防治療の考え方
突然の激しい頭痛や、急な異常があるとき
突然の激しい頭痛や意識の異常、急に物が二重に見えるなどの変化があるときは、119番に連絡してください。経過観察の予約日を待たず、指令員の案内に従ってください。 出典1
脳ドックなどで「脳動脈瘤がある」と言われても、見つかっただけで手術が決まるわけではありません。破裂する危険と治療に伴う危険を比べ、ご自身の状態に合う方針を相談するための記事です。

未破裂と、破裂した動脈瘤の違い
脳動脈瘤は、脳の動脈の一部がこぶのように膨らんだものです。まだ破れていないものを未破裂脳動脈瘤と呼びます。破裂すると、くも膜下出血を起こすことがあります。 出典2
無症状のまま、脳ドックなどの画像検査で偶然見つかる場合があります。見つかったことは、出血したことや、すぐに破裂することと同じではありません。今の状態を詳しく調べ、今後の対応を相談します。 出典4
症状がない場合と、神経を圧迫する場合
未破裂の動脈瘤では症状がないことが多い一方、周囲の神経を圧迫して、物が二重に見える、まぶたが下がる、視力や視野に変化が出る場合があります。症状があるときは、その経過を医師に伝えてください。 出典5
突然の激しい頭痛や急な見え方の異常などは、冒頭の救急案内に従って対応してください。頭痛がないことだけで、動脈瘤の危険性を判断することもできません。 出典1 出典5
原因や、破裂に関係する要因
動脈瘤のでき方には、血管の壁や血流の負担、家族性など複数の要因が関わると考えられています。高血圧や喫煙なども関連しますが、個々の動脈瘤ができた理由を一つに決められるとは限りません。 出典5 出典3
破裂の危険を考える際は、大きさだけでなく、できた場所、形、増大や変形の有無などを確認します。小さいから絶対に安全、大きさが同じなら危険も同じ、とは言い切れません。 出典3
大きさ・形・周囲の血管を調べる
MRAは、MRIを使って脳の血管を画像にする検査で、動脈瘤の発見や経過観察などに使われます。必要に応じて、造影剤を使うCT血管撮影や、カテーテルを使う脳血管撮影で詳しく調べます。 出典5
検査ごとに分かることや身体への負担が違います。治療方針を決めるために何を確認する検査なのか、造影剤やカテーテルを使う場合にはどのような危険があるかを、説明の際に確認してください。 出典5
経過観察と予防治療を、どう考える?
経過観察は、画像で変化を確かめながら方針を見直す選択肢です。一方、予防治療は、まだ破裂していない動脈瘤からの出血を防ぐことを目的とします。どちらを選ぶかは、動脈瘤の状態と、ご本人の年齢や持病、治療に伴う危険を合わせて検討します。 出典2 出典3 出典4
説明では「治療を勧める理由」だけでなく、経過観察を選んだ場合の見通し、治療そのものの合併症、ほかの方法が適するかを聞いてみてください。不安な点や生活上の希望も伝え、納得できる方針を相談します。 出典2
研究で報告される破裂率は、特定の条件の集団を追った数字です。インターネット上の平均値だけで、自分の動脈瘤の危険や手術の必要性を決めることはできません。 出典4
クリッピング術と、血管内治療
クリッピング術は、頭を開けて動脈瘤の根元にクリップをかけ、血液が入らないようにする手術です。血管内治療では、カテーテルを使って動脈瘤の中にコイルを入れる方法などがあります。 出典3
血流を変えるフローダイバーターなど、ほかの機器を使う方法もあります。ただし、適応は動脈瘤の場所や形などによって異なり、どの動脈瘤にも使えるわけではありません。 出典2
頭を開けるかどうかだけで、安全性を決めることはできません。周囲の血管や神経との関係、治療後の再検査や再治療の可能性も含め、ご自身の条件での利点と危険を確認してください。 出典2 出典3
経過観察中と、治療後の通院
経過観察中は、画像で大きさや形の変化を調べます。検査の間隔は担当医と決め、増大や変形が見られたときには方針を再検討します。高血圧の治療や禁煙、飲酒についても相談してください。 出典4
治療を受けた後も、動脈瘤の閉鎖状態や変化を確認する検査が必要になる場合があります。方法によっては薬の服用も必要です。次回の検査と服薬の目的を確認し、変更や中止は担当医に相談してください。 出典2
医療チームに聞いておきたいこと
- 動脈瘤の場所・大きさ・形で、気になる点はどこですか
- 経過観察と治療、それぞれの利点と危険を教えてください
- 別の治療方法も選べますか。適する方法をどう判断しましたか
- 次の検査はいつで、どんな変化があれば連絡すべきですか
出典・参考資料
- 厚生労働省|こんな時は迷わず119へ(資料日:表示日不明/確認日:2026-10-26)
- 日本脳神経血管内治療学会|脳動脈瘤について(資料日:表示日不明/確認日:2026-10-26)
- 国立循環器病研究センター|脳動脈瘤(資料日:表示日不明/確認日:2026-10-26)
- 秋田県立循環器・脳脊髄センター|未破裂脳動脈瘤(資料日:表示日不明/確認日:2026-10-26)
- 慶應義塾大学病院 KOMPAS|脳動脈瘤(資料日:2021-11-17/確認日:2026-10-26)
情報確認日:2026年10月26日。
本記事は一般的な情報提供を目的としています。診断・治療については医師にご相談ください。