脳梗塞とは?急な症状への対応、検査・治療と再発予防

脳梗塞とは?急な症状への対応、検査・治療と再発予防

顔・手足・言葉の急な異常は、119番へ

突然、顔の片側がゆがむ、片側の腕や足に力が入らない、ろれつが回らないときは、119番に連絡してください。急に立てない、見え方がおかしい場合も、救急の対応が必要なことがあります。 出典1

脳梗塞では、発症直後の治療と、その後の再発予防・リハビリにそれぞれ目的があります。本人や家族が治療の説明を理解するために、病気の起き方から退院後の相談までをまとめました。

脳の血管が血栓で詰まり、その先の脳組織への血流が低下した状態を示す説明図
脳梗塞の仕組みを示した説明イメージです。実際の脳や検査画像ではありません。

脳へ血液が届かなくなる病気

脳梗塞は、脳の血管が詰まり、その先へ十分な血液が届かなくなって、脳の組織が傷つく病気です。障害される場所によって、動きや感覚、言葉などにさまざまな症状が現れます。 出典4

血管が詰まる脳梗塞、血管が破れる脳出血やくも膜下出血は、いずれも脳卒中に含まれます。急な症状だけで種類を見分けることはできず、病院での検査が必要です。 出典2

症状が消えても、そのままにしない

片側の顔や手足のまひ、言葉が出ない、話を理解しにくい、ろれつが回らないといった症状があります。急に歩けなくなる、物が二重に見えるなどの変化で現れることもあります。症状が全部そろうとは限りません。 出典1 出典4

いったん症状が消えても、脳への血流が一時的に不足する「一過性脳虚血発作(TIA)」の可能性があります。その後に脳梗塞を起こす危険があるため、速やかな診断と治療が必要です。自分で「治った」と判断せず、救急の案内に従ってください。 出典5

症状が始まった時刻を伝えることも、治療を考える手がかりになります。朝起きたときに気づいた場合は、その時刻に加え、最後に普段通りだった時刻も伝えます。時刻が分からなくても、確認のために救急要請を遅らせないでください。 出典3 出典1

血管や心臓の状態を調べる理由

血管の動脈硬化に関係するもの、脳の細い血管が詰まるもの、心臓でできた血栓が脳へ流れるものなど、脳梗塞には異なる起き方があります。最初の検査だけでは原因が分からず、治療と並行して調べる場合もあります。 出典2

高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、心房細動などが関連します。ただし、どの要因が関わっているかは人によって異なります。原因を調べることは、次の発症を防ぐ方法を選ぶためにも必要です。 出典3

脳の画像と、原因を探す検査

頭部CTやMRIで、出血の有無や脳の障害を確認し、必要に応じて血管の詰まりや血流も調べます。画像は、病名を確かめるだけでなく、血流を戻す治療が適するかを判断する材料になります。 出典2 出典4

原因を探るため、血液検査、心電図、首の血管や心臓の超音波検査などを組み合わせます。すべての人が同じ順序ですべての検査を受けるわけではありません。服用中の薬や、これまでの病気も医療チームに伝えてください。 出典3

血流を戻す治療は、どう選ばれる?

発症直後には、血栓を溶かす薬を点滴する「静注血栓溶解療法」や、カテーテルで血栓を取り除く「血栓回収療法」を検討します。治療には出血などの危険もあるため、発症からの時間、症状、画像、服薬状況などを合わせて適応を判断します。 出典2 出典4

血栓回収療法は、主に脳の太い血管が詰まった場合に行います。すべての脳梗塞に同じ治療が使えるわけではありません。発症時刻が分からない場合も、自分で治療できないと決めず、できるだけ早く救急の診療につなげてください。 出典4 出典3

血流を戻す治療の対象にならない場合にも、病状に応じた薬や全身管理などの治療を行います。入院後に症状が変化する場合もあり、継続した観察が必要です。 出典3

再発予防の薬と、生活の管理

再発予防では、血栓ができるのを防ぐ薬や、血圧・血糖・脂質などの管理を検討します。抗血栓薬には抗血小板薬と抗凝固薬があり、脳梗塞の原因などに応じて使い分けます。飲み方や出血時の対応は、担当医や薬剤師に確認してください。 出典2

退院時には、続ける薬、通院先、禁煙など生活で取り組む内容を整理します。自己判断で薬を中断せず、飲み忘れや副作用が心配なときは医療機関へ相談してください。 出典3

リハビリと、暮らしに戻るための支援

リハビリは歩く練習だけではありません。起き上がる、着替える、食べる、話す、飲み込むなど、暮らしに関わる機能を評価し、病状に合わせて練習や支援を組み合わせます。 出典6

退院後に必要な助けは人によって違います。自宅で困りそうな動作や、家族だけでは支えにくいことを具体的に伝え、リハビリや転院、退院先について医療チームと相談してください。 出典3 出典6

医療チームに聞いておきたいこと

  • 脳梗塞の原因はどこまで分かっていますか
  • 今回の治療を選んだ理由と、今後の注意点は何ですか
  • 再発予防の薬の目的と、困ったときの連絡先を教えてください
  • 退院後の生活やリハビリについて、誰に相談できますか

出典・参考資料

  1. 厚生労働省|こんな時は迷わず119へ(資料日:表示日不明/確認日:2026-10-26)
  2. 国立循環器病研究センター|脳卒中(資料日:2026-09-23/確認日:2026-10-26)
  3. 東京都健康長寿医療センター|脳梗塞(資料日:表示日不明/確認日:2026-10-26)
  4. 日本脳神経血管内治療学会|脳梗塞に対する血栓回収療法(資料日:表示日不明/確認日:2026-10-26)
  5. 国立循環器病研究センター|一過性脳虚血発作は、早期に完成型脳梗塞を発症する可能性が高い(資料日:2024-09-27/確認日:2026-10-26)
  6. 国立循環器病研究センター|脳血管リハビリテーション科(資料日:2026-03-31/確認日:2026-10-26)

情報確認日:2026年10月26日。

本記事は一般的な情報提供を目的としています。診断・治療については医師にご相談ください。