我々がこうして体を動かしているのも神経というものが存在しているからこそです。逆に言えば傷ついて痛みを感じるのも神経が痛みを感知しているからなのですが、どちらにせよ神経という存在がなければ我々は動くこともできません。そして神経には中枢神経という脳と脊髄を担当するところと、そこから全身の機能に分布する末梢神経というものがあります。中枢神経は知恵と運動、感覚といった基本的な活動を担っていて、末梢神経はその情報を全身に伝える働きがあるのと同時に逆にその全身から情報を中枢神経に伝える役割を持っています。なので末梢神経は仲介役として大事な役割を持っている存在なのです。そしてそんな末梢神経に異常が起こる症状を末梢神経障害と呼び、別名ではニューロパチーと呼ぶこともあります。末梢神経には更にそこから神経が分類されることになり、運動神経という体の筋肉に運動をするように指示する神経がありますが、発症が起こるとその指示が上手く伝わらないようになり筋肉が落ちていってしまいます。そして我々が普段から感じる痛みを始めとした、熱さや寒さを感じさせるのは感覚神経というものがあって、それがその感覚の他に手足の位置や振動といった感覚も伝えますが、発症が起こると痺れや痛みが起こったり、感覚が鈍くなるということで外から痛み、熱さ、寒さを感じにくくなります。そして内臓や血管といった器官に働きをかける自律神経というものがあり、こちらが発症が起こると上手く機能しなくなって、立ちくらみや発汗異常、下痢や便秘といった症状が出ます。更にそこから症状も多発性と単性の2パターンがあり、多発は両手、両足の痺れ、単性は一部の手足の痺れを起こり、ここから多発性に派生するとされています。この末梢神経障害が起こる原因としてここでも多発性と単性に分けられて、単性は血管炎等が原因とされていますが、多発性は特に糖尿病が最も多い原因とされており、他にもアルコールの過剰摂取やビタミンBが不足していたりもあり、中には有毒物質によるものや遺伝で起こるとされていることもあります。もちろん上記の症状が出たら末梢神経障害の疑いがあるので、病院へ行き診断をしてもらうとよいでしょう。その後は検査をして治療に移ります。治療は多くの原因が糖尿病にあるとされているので、その糖尿病をどうにかするのが第一です。糖尿病は生活習慣病の一種とされているので、血糖のコントロールを正常するために、バランスのいい食事、適度な運動、禁酒や禁煙といった生活習慣の改善をし、時には薬物療法も用います。病気は早期発見で早期治療といわれている通り、発見が早ければ症状も軽いため治療も早くできる可能性が高くなります。なので早めに病院へ行くことも心がけ、そしてもちろん発症しないようにするための予防もしましょう。糖尿病は末梢神経障害だけでなく脳梗塞等の脳に悪影響を与える病気の発症の原因ともなっています。なので糖尿病の予防は結果的に多くの病気の予防になるということです。