脳血管障害

急な症状は、前兆かどうかを考える前に119番へ

突然、顔や手足の片側に異常が出る、ろれつが回らない、激しい頭痛が起こる、支えなしでは立てないほどふらつくときは、119番へ連絡してください。症状を自分で脳梗塞や脳出血に振り分けず、救急の診療につなげてください。 [1]

脳血管障害は、脳に関わる血管の異常によって起こる病気や病態をまとめた言葉です。代表的なのは脳梗塞、脳出血、くも膜下出血ですが、起きていることも治療の目的も異なります。まずは病気の関係と、急な症状が出たときの対応を押さえましょう。 [8] [7]

脳血管障害と脳卒中の関係

脳の血管が詰まったり、破れたりして、急に体の働きに異常が現れるものを脳卒中と呼びます。主なものは脳梗塞、脳出血、くも膜下出血です。いずれも、脳のどの場所が障害されるかによって症状が変わります。 [6] [7]

脳血管障害という言葉は、脳卒中とほぼ同じ意味で使われることもありますが、より広い病態を含めて用いられる場合もあります。症状がない段階で見つかった血管の狭窄や未破裂脳動脈瘤、脳卒中の後遺症などまで含むことがあるため、その言葉だけで状態や緊急性を判断することはできません。 [8]

主な病気は、血管が詰まるか、出血するかで異なる

脳梗塞では血液が届かなくなり、脳出血では脳の組織内に血液が漏れ出します。くも膜下出血は、脳の表面とくも膜の間に出血する病気です。同じ「脳の血管の病気」でも、血液が足りない場所と、出血する場所には違いがあります。 [6] [7]

脳卒中の主な3つの病型を整理した図。
病気の起こり方を簡略化した模式図です。症状だけで病型を見分けることはできません。 参考資料 [6] [7]
病気脳で起きていること
脳梗塞血管が詰まり、その先の脳へ血液が十分に届かなくなる
脳出血(脳内出血)血管が破れ、脳の組織内に出血する
くも膜下出血脳の表面とくも膜の間に出血する
病気の起こり方の違い。症状から自己診断するための表ではありません。 [6] [7]

これらには、まひや言葉の異常、意識の変化など共通する症状があります。激しい頭痛はくも膜下出血でよく知られていますが、症状の組み合わせだけで病名を確定することはできません。治療を選ぶには、病院で出血の有無や血管の状態を調べる必要があります。 [6] [2]

症状が消えても、診断を急ぐ必要がある

手足の力が入りにくい、言葉が出ないなどの症状が短時間で消える場合、一過性脳虚血発作(TIA)の可能性があります。その後に脳梗塞を起こす危険があるため、速やかな診断と治療が必要です。急な神経症状をすべて「前兆」とみなし、消えるのを待つことは避けてください。 [5] [1]

病院では、診察とCT・MRIなどで、出血か血流の障害か、どの場所にどの程度の影響があるかを調べます。発症した時刻、最後に普段どおりだった時刻、服用中の薬なども、治療を考える材料になります。分からないことがあっても、情報をそろえるために救急要請を遅らせないでください。 [3] [4] [1]

脳梗塞では、血流を戻す薬やカテーテル治療が適するかを判断します。脳出血では、出血の拡大や脳の腫れを抑え、必要に応じて血腫を取り除く治療を検討します。動脈瘤の破裂によるくも膜下出血では、再出血を防ぐために動脈瘤を治療します。病名と本人の状態によって選択肢は変わり、同じ薬や手術をすべてに使うわけではありません。 [6] [2]

回復と再発予防を、退院後の生活につなげる

急性期の治療が落ち着いた後も、残った症状へのリハビリテーションや、生活を支える相談が続きます。必要になる支援は、手足の動きだけでなく、食事や飲み込み、会話、記憶や注意の働きなどによっても異なります。 [6] [8]

再発予防は、発症した病気と原因に合わせて進めます。血圧などの管理、禁煙、食事・運動の見直しに加え、必要な薬や検査を続けます。抗血栓薬は脳梗塞の予防に使う場合がありますが、出血しやすくなる面もあるため、薬の扱いは担当医と確認してください。 [2] [6] [7]

「脳血管障害がある」と説明を受けたら、具体的な病名、今必要な治療、再検査の予定、生活で注意することを確認しましょう。急な症状への対応と、症状がない時期の予防・経過観察を分けて考えると、通院の目的も理解しやすくなります。 [8]

出典と情報確認日

  1. 厚生労働省 こんな時は迷わず119へ(資料日:表示日不明/確認日:2026-10-29)
  2. 国立循環器病研究センター 脳卒中(資料日:2026-09-23/確認日:2026-10-29)
  3. 東京都健康長寿医療センター 脳梗塞(資料日:表示日不明/確認日:2026-10-29)
  4. 日本脳神経血管内治療学会 脳梗塞に対する血栓回収療法(資料日:表示日不明/確認日:2026-10-29)
  5. 国立循環器病研究センター 一過性脳虚血発作と早期の診断・治療(資料日:2024-09-27/確認日:2026-10-29)
  6. 神戸大学医学部附属病院 脳卒中について(資料日:表示日不明/確認日:2026-10-29)
  7. 厚生労働省 e-ヘルスネット 脳血管障害・脳卒中(資料日:表示日不明/確認日:2026-10-29)
  8. 福岡市医師会 脳血管障害の医療連携 2023年度版(資料日:2023年度版/確認日:2026-10-29)

情報確認日:2026年10月29日。

本記事は一般的な情報提供を目的としています。診断・治療については医師にご相談ください。