顔・手足・言葉の急な異常は119番へ
突然、顔の片側がゆがむ、片側の腕や足に力が入らない、ろれつが回らないときは、119番へ連絡してください。突然の激しい頭痛や、支えがないと立てないほどの急なふらつきも、救急の対応が必要です。症状から病名を調べて様子を見るより、まず救急要請を優先してください。 [1]
脳出血と診断されると、出血の大きさや手術の必要性、その後の回復が気になるかもしれません。治療は、出血した場所と量、症状、全身の状態によって変わります。まずは何を確かめ、どのような目的で治療を進めるのかを見ていきます。
脳出血の起こり方と症状
脳出血は、脳の組織内の血管が破れ、血液が周囲に漏れ出す病気です。「脳内出血」とも呼ばれます。血液の塊である血腫ができると、その周囲の脳を圧迫したり、脳の働きを損なったりします。 [2] [4]

脳の表面を覆う膜の間に出血するくも膜下出血や、血管が詰まる脳梗塞とは、病気の起こり方が異なります。いずれも急なまひや意識の異常などを起こすことがあり、症状だけで区別はできません。 [3]
片側の手足のまひやしびれ、言葉が出にくい、話を理解しにくい、見える範囲が欠ける、といった症状があります。頭痛や吐き気、意識がはっきりしない状態、けいれんが現れることもあります。 [2]
症状の組み合わせや重さは、出血した場所と広がりによって違います。初めは会話ができていても、その後に出血や脳の腫れが広がり、状態が変わる場合があるため、入院後も観察と検査が続きます。 [2] [4]
出血の原因と検査
主な原因の一つが高血圧です。高い血圧が長く続くと脳の細い血管が傷み、破れやすくなります。ただし、脳出血の原因がすべて高血圧というわけではありません。 [2] [4]
高齢者では、脳の血管にアミロイドというたんぱく質がたまる「脳アミロイド血管症」が関係する場合があります。脳動静脈奇形などの血管の病気や、抗血栓薬の影響も確認します。原因に応じて、その後に必要な治療や再発予防も変わります。 [2] [3]
頭部CTでは、出血の有無、場所、血腫の大きさ、脳の腫れなどを調べます。必要に応じてMRIや血管造影などを行い、出血の原因になる血管の異常がないかも確認します。 [2]
画像だけで治療が決まるわけではなく、意識の状態やまひの程度、持病なども合わせて判断します。抗凝固薬などを服用している場合は治療に関わるため、薬の名前が分かるものを医療者に伝えてください。 [2] [3]
脳出血の治療と手術
発症直後は、出血を広げないための血圧管理を行います。脳の腫れが問題になる場合は、それを抑える治療も必要です。抗凝固薬を服用している人では、その作用を打ち消す治療などを検討します。いずれも、薬の種類と本人の状態に応じて医師が判断します。 [3]
血腫による圧迫が強く、命に危険がある場合や、症状の悪化が懸念される場合などには、血腫を取り除く手術を検討します。頭蓋骨の一部を開いて行う方法や、内視鏡を用いる方法などがあり、病状に合わせて選びます。 [2] [4]
脳内の空間である脳室へ血液が流れ込み、脳脊髄液の流れが妨げられた場合には、細い管を入れて排出する「脳室ドレナージ」が必要になることもあります。血腫を取り除く手術とは、目的が異なります。 [2] [4]
手術には、圧迫を軽くし、救命を目指す役割があります。血腫を取り除いても、すでに傷ついた脳の働きがすべて戻るとは限りません。手術の目的と期待できること、伴う危険について、担当医に確認してください。 [4]
手術を行わない場合も、血圧管理や合併症への対応、状態の変化を見守る治療は続きます。出血の大きさだけでなく、場所や症状も含めて方針を決めるため、手術の有無だけで重症度は判断できません。 [2] [4]
回復期のリハビリと再発予防
治療後に残る症状や、生活で必要になる助けは人によって異なります。まひや言葉の障害に加え、飲み込みや記憶・注意などに影響が出る場合もあります。病状に応じて、早い段階からリハビリテーションを検討します。 [3] [5]
退院後の暮らしを考えるときは、歩けるかどうかだけでなく、食事や着替え、会話など、どの場面で支援が必要かを医療チームと確認していきます。回復期の病院への転院や、退院先で受ける支援についても相談できます。 [3]
再発予防では、原因に応じた治療を続けながら、血圧を管理します。減塩、禁煙、飲酒を控えることなども相談の対象です。食事や運動は、退院後の体の状態に合わせて医療チームと考えてください。 [3] [6]
通院時には、血圧の目標、薬を続ける目的、再検査の予定を確認しておくと、退院後の管理を具体的に考えやすくなります。抗血栓薬の扱いも、脳出血の原因と、その薬が必要になった病気を踏まえて担当医と相談してください。 [3]
担当医に確認しておきたいこと
- どこに、どのくらいの出血があり、今後どのような変化に注意しますか
- 今回、手術を行う、または行わないと判断した理由は何ですか
- 出血の原因はどこまで分かっていますか。追加の検査は必要ですか
- 今の段階で、回復について分かっていることと、まだ分からないことは何ですか
- 退院後の血圧管理、薬、リハビリについて、誰に相談できますか
出典と情報確認日
- 厚生労働省 こんな時は迷わず119へ(資料日:表示日不明/確認日:2026-10-29)
- 東京都健康長寿医療センター 脳出血(資料日:表示日不明/確認日:2026-10-29)
- 国立循環器病研究センター 脳卒中(資料日:2026-09-23/確認日:2026-10-29)
- 名古屋市立大学医学部附属東部医療センター 脳出血(資料日:表示日不明/確認日:2026-10-29)
- 国立循環器病研究センター 脳血管リハビリテーション科(資料日:2026-03-31/確認日:2026-10-29)
- 日本脳卒中協会 脳卒中予防十か条2025(資料日:2026-03-18/確認日:2026-10-29)
- 慶應義塾大学病院 KOMPAS 脳梗塞、脳出血(脳卒中)(資料日:2021-11-17/確認日:2026-10-29)
情報確認日:2026年10月29日。
本記事は一般的な情報提供を目的としています。診断・治療については医師にご相談ください。