もやもや病

急な手足・言葉・意識の異常は119番へ

急に片側の手足が動かしにくい、顔がゆがむ、言葉が出ない、突然激しい頭痛がする、呼びかけへの反応がおかしいときは119番へ連絡してください。いったん症状が消えても、受診の予定日まで待たないでください。 [1] [6]

もやもや病は、脳へ血液を送る太い動脈が狭くなり、その周囲に細い血管が発達する病気です。子どもにも大人にも起こり、血流の不足や出血の原因になります。症状の現れ方と脳の血流を調べ、経過観察や血行再建術などの方針を検討します。 [2] [3] [5]

血流の不足と、細い血管からの出血

頭の中の内頸動脈の終わりに近い部分などが狭くなり、血流を補うように周囲の細い血管が発達します。脳血管撮影で、この細い血管が煙のように見えることが病名の由来です。両側に変化がある場合だけでなく、片側の病変でも診断される場合があります。 [2] [3]

脳への血流が不足すると、一時的に手足の力が入りにくくなる、言葉が出にくくなるといった症状や、脳梗塞が起こることがあります。細い血管が破れて出血する場合もあります。子どもは血流不足による症状で気づかれることが多く、大人では出血をきっかけに見つかる場合もありますが、年齢だけで病型を決めることはできません。 [2] [3]

子どもでは、激しく泣いたときや、息を強く吹き続けたときなどに症状が出ることがあります。過呼吸で血液中の二酸化炭素が減り、脳の血管が縮んで血流が減るためです。心配な症状があっても、同じ動作を繰り返して確かめようとせず、起きた場面や続いた時間を医師に伝えてください。 [2]

血管の形と、脳に届く血流を調べる

MRI・MRAで脳と血管を確認し、必要に応じてカテーテルを使う脳血管撮影を行います。片側だけに変化がある場合や、動脈硬化などとの区別が必要な場合は、特に詳しい評価が必要です。SPECTなどで脳の血流を調べ、症状や画像の変化と合わせて判断します。 [3] [5]

もやもや病の検査で確かめることを整理した図。
本文で説明している違いや確認事項を整理した図です。実際の診断や治療は、症状と状態に応じて判断します。 参考資料 [3] [5]

画像で血管が狭いと分かったことだけで、直ちに全員が手術を受けるわけではありません。血流不足による症状があるか、脳梗塞や出血の跡があるか、血流を補う余力がどの程度あるかなどを確認します。症状がない場合も、定期的に変化をみる必要があります。 [3] [5]

血行再建術で、脳へ血液が届く別の道を作る

血行再建術は、狭くなった元の血管を広げるのではなく、脳へ血液を送る別の経路を作る手術です。代表的な方法には直接バイパスと間接バイパスがあり、両方を組み合わせることもあります。年齢、血管の状態、症状や出血の危険などを踏まえて方法を選びます。 [2] [3] [5]

方法血液が届く経路
直接バイパス頭皮側の動脈と脳の表面の動脈をつなぎ、血液が流れる道を作る。
間接バイパス血管を含む組織を脳の表面に接するように置き、新しい血管の発達を促す。
代表的な血行再建術の違いです。適する方法や効果が現れる時期は、本人の状態と手術の内容によって異なります。 [5]

血流不足による症状がある場合などには、血小板の働きを抑える薬が使われることがあります。ただし、出血の危険も考えて選ぶため、自分の判断で飲み始めたり、中止したりしないでください。薬や手術の役割はそれぞれ異なり、狭くなった血管が元どおりになることを保証する治療ではありません。 [2] [3]

手術後は、血流不足のほか、急に血流が増えすぎる「過灌流」などにも注意して管理します。手術が終わった後も、血流や血管の変化を確認する診察が続きます。頭痛や症状が残る場合は、その原因や生活への影響を改めて相談してください。 [3] [5]

通院と、学校・仕事での困りごと

運動や日常生活で気をつける範囲は、症状や血流の状態、治療後の経過によって変わります。生活全体を一律に制限するのではなく、体育、部活動、仕事など、本人が行いたい活動を具体的に伝えて相談してください。症状が出たときの対応も家族や学校、職場と共有します。 [4] [5]

手足に目立つまひがなくても、集中しづらい、学習や仕事が以前のように進まないといった困りごとが生じる場合があります。本人の努力だけの問題にせず、医療機関に相談し、必要に応じて学校や職場での支援につなげてください。 [2] [4]

短時間で消えたまひや言葉の異常については、一過性脳虚血発作(TIA)の解説も参照してください。

出典と情報確認日

  1. 厚生労働省 こんな時は迷わず119へ(資料日:表示日不明/確認日:2026-10-29)
  2. 難病情報センター もやもや病 一般向け解説(資料日:表示日不明/確認日:2026-10-29)
  3. 難病情報センター もやもや病 診断・治療指針(資料日:表示日不明/確認日:2026-10-29)
  4. 難病情報センター もやもや病 FAQ(資料日:2024-10(本文内容更新)/確認日:2026-10-29)
  5. 東京都健康長寿医療センター もやもや病(資料日:表示日不明/確認日:2026-10-29)
  6. 国立循環器病研究センター 脳卒中(資料日:2026-09-23/確認日:2026-10-29)

情報確認日:2026年10月29日。

本記事は一般的な情報提供を目的としています。診断・治療については医師にご相談ください。