失語症とは、何らかの原因により言語機能を司る部分に障害がおこり、聞く話す』などの行動に支障が起きている状態を示します。一般的に原因となるのは脳梗塞や脳出血などの頭の血流に関する大病が主な原因となります。また、深刻な症状になると前述の聞く話す』以外にも読み書きにも影響を及ぼします。基本的に神経の塊である脳と密接な関係にあると考えられています。また、前述の血流以外にもアルツハイマー病やピック病などが原因となっている場合も存在しており、現在でもそのメカニズムが完全に解明されているわけではありません。また、この症状は精神疾患であるうつ病や統合失調にも近い症状が見られるので、失語症とそれらを分けるテストを行います。基本的にこれらの精神疾患と失語症のテストは見当識の有無や字の読み書き、道具の使用などが区別される条件となっています。精神疾患での症状は、文字通り言葉を話せなくなったり、意識的に話さないようにしたりといった症状が現れるので、必然的に判別をすることが出来るのです。この症状があらわれてしまうと、社会的な復帰をすることは容易ではありません。そもそも治すことが難しく、長い時間を掛けて実行することが殆どなのですが、社会的理解も少ないので、リハビリそのものが難しいと言うのが現状なのです。基本的にこの症状を抱えている人は、大量の言葉を伝えると混乱してしまうので、必ずゆっくりと、正確に発音して話すようにしましょう。また、相手の言葉を遮って話してしまうと、自分自身が話そうとしていた物事と、新たに入ってきた物事が混乱して会話そのものが途切れてしまいます。このようにならないためにも必ず相手の行動や言動をよく見て、コミュニケーションをとっていくのが大切です。特に、相手の言葉を遮ると相手の精神にも大きな影響を与えてしまいます。このような事態にならないためにも、自分の発言タイミングや発言そのものによく注意することが大切なのです。また、失語症の人間は言葉だけでは全てが伝わらない場合も多いので、身ぶり手ぶり、所謂ジェスチャーを用いて会話を行ったり、置物や絵などでコミュニケーションをとっていき、最終的には言葉での会話を行えるようにするなどと言った配慮が必要です。また、同じニュアンスでも伝わる言葉と伝わらない言葉があるので、様々な言い方を試してみるのもとても重要なことです。このような治療やトレーニングを行う際によく用いられる読み書きの練習なのですが、一般的にこの症状を持つ人間はひらがなよりも漢字の方が認識しやすいと言われています。なので、できる限りひらがなを持ちいらずに漢字を用いて練習を行えばより効果的にトレーニングや治療を続けることが出来ます。これは別な治療にも言えますが、最終的に必要なのは相手との信頼関係ですので、相手の事を大切にするような態度で接することがとても重要です。決して焦らず、慎重に治療に臨みましょう。