頭痛にはいくつか種類があります。風邪や二日酔いが原因の日常的におこる頭痛や脳の病気が原因で起こる頭痛、慢性頭痛とよばれる頭痛自体が治療の対象になる頭痛があります。その中でも群発性頭痛とは、緊張型頭痛や片頭痛と比べると患者数は少ないと言われています。名前の由来通り、群発地震のようにある期間に集中して毎日のように頭痛が起きては、期間があいてまた同じような頭痛がおきるという特徴があります。季節の変わり目などに発生しやすく、群発期以外は頭痛は収まります。片頭痛が女性が多いのに比べると群発性頭痛は20代から40代の男性に多いとされています。
症状としては、片側の目の奥が圧迫されるように強い痛みを感じます。目をえぐられるようなやキリで刺されるようなと表現されるほどの痛みだと言われています。前頭部から側頭部へと痛みがひろがっていくという特徴があります。そのため、痛くてじっとしていられず痛みを紛らわすために動き回ったり、ひどい時には、痛みのあまり頭を壁に打ち付ける人がいると言われるぐらいです。
頭痛と一緒に、顔が赤くなったり、白目の部分の充血、涙や鼻水、鼻ずまりなどの症状があらわれることがあります。頭痛の起こり方にも特徴があり、数十分から1時間ほど続く頭痛が1日数回起こります。この状態が短くて数週間、長いと1ヶ月から3ヶ月続くと言われています。その後、痛みが収まっても数ヶ月から数年後にまた同じような頭痛がおこります
頭痛外来や脳神経外科などで治療を受けることができます。治療としては、薬物療法と呼ばれる抗ヒスタミン剤や高セロトニン剤、鎮痛剤、精一神安定剤などを用いた治療法があります。薬によっては、保険適用ありと保険適用外の両方の種類があります。痛みの起こる時間が一定の場合、明け方に発生することが多いようです。その場合は、就寝前にエルゴタミン製剤やトリプタン系薬剤をのむことで予防できることがあります。いずれも市販薬にはないため専門医の診察を受け、処方してもらう必要があります。
群発性頭痛は鎮痛剤を服用しても、痛みを抑えることが難しいため、効果的な対処療法として酸素吸入法があります。酸素を吸うことで頭部の動脈が収縮するため痛みが和らぎます。発作がおきてできるだけすぐにおこなうことでより効果があるとされています。最近では、携帯用の酸素缶も市販されています。しかし、発症のメカニズムが明らかにされていないため日常生活の中でも頭痛を誘発する要因をできるだけ排除することをこころがけることです。
群発性頭痛がでるきっかけには、過労やストレス、飲酒があります。特にアルコールがトリガーになり、飲酒後1時間ぐらいで発作があらわれやすいといわれています。群発期以外の飲酒では頭痛は起きませんが、痛みがある期間は禁酒する必要があります。また、気圧の急激な変化は、血管の拡張や神経を刺激するため頭痛を引き起こす場合があるため、登山や飛行機を利用する場合は専門医と相談する必要があります。