脳脊髄液減少症

突然の激しい頭痛や意識の異常は119番へ

突然の激しい頭痛、急な手足のまひや言葉の異常、呼びかけへの反応がおかしいときは、119番へ連絡してください。頭を打った後の意識の変化なども、別の緊急の病気やけがを考える必要があります。脳脊髄液減少症の症状だと決めつけて、受診を遅らせないでください。 [1]

脳脊髄液減少症は、脳や脊髄の周囲にある脳脊髄液が漏れることなどに関連し、頭痛やめまい、首の痛みなどが現れる病態です。症状だけで判断せず、経過や画像検査などから漏出の有無を調べ、治療方針を検討します。 [2] [3]

起き上がると強くなる頭痛などが、受診の手がかりになる

立ったり座ったりすると強くなる起立性頭痛が、手がかりになる場合があります。頭痛以外にも、首の痛み、めまい、耳鳴り、吐き気、だるさなどが現れることがあります。ただし、こうした症状はほかの病気でも起こるため、症状が当てはまることだけで診断はできません。 [2] [3]

交通事故やスポーツなどの外傷をきっかけに起こる場合のほか、医療処置に関連する場合や、明らかな原因のない特発性の場合もあります。けがの後から症状が出た場合は、その状況と発症時期を伝えてください。すべての頭痛を外傷や髄液の漏れだけで説明することはできません。 [3]

医療機関や公的な案内では、「脳脊髄液減少症」のほかに「脳脊髄液漏出症」という名称が使われます。漏出症の診断や治療を考える際には、実際に髄液が漏れていると判断できる所見があるかを確認します。病名の呼び方だけで、検査結果や治療の対象が同じになるとは限りません。 [4] [5]

症状の経過と、画像検査を合わせて判断する

受診の際は、横になったときと起き上がったときで症状がどう変わるか、いつ始まり、日常生活にどの程度影響しているかを伝えてください。交通事故やスポーツ中のけが、脊髄手術などの医療処置を受けた経緯があれば、それも診察の材料になります。 [2] [3]

脳脊髄液減少症:診察で伝えることを整理した図。
本文で説明している違いや確認事項を整理した図です。実際の診断や治療は、症状と状態に応じて判断します。 参考資料 [2] [3] [5]

漏出の評価では、脳の検査に加え、脊髄のMRIやMRミエログラフィーなどを検討します。必要に応じて、腰から針を刺して行うCTミエログラフィーなどを組み合わせる場合もあります。検査によって目的と負担が異なるため、何を確かめる検査かを医師に確認してください。 [5]

頭部MRIだけで漏出の有無を十分に判断できない場合があります。一方で、画像の一つの所見だけで症状の原因を決められるとも限りません。検査結果と症状の経過を合わせ、追加の評価が必要か、ほかの原因を調べるかを相談します。 [5]

安静などの治療と、ブラッドパッチの対象

状態に応じて、安静や水分補給、補液などの治療を行います。どの程度休むか、いつ再診するかは医師と相談してください。一定の日数を自宅で横になれば治ると考えて受診を待ったり、生活への影響が続くのに安静だけを長く続けたりしないようにします。 [2] [5]

保存的な治療で十分に改善しない場合などには、ブラッドパッチ(硬膜外自家血注入療法)を検討します。本人から採取した血液を硬膜の外側に注入し、髄液の漏れを塞ぐことを目指す処置です。脊髄そのものや、髄液がある空間の中へ血液を入れる治療ではありません。 [2] [4] [5]

ブラッドパッチは、2016年4月から、診断の要件や医療機関の施設基準を満たす場合に保険適用の対象となっています。頭痛がある人すべてが対象になるわけではありません。施術の必要性と予想される効果、合併症、費用の扱いを、受診先で確認してください。 [2] [4]

症状が続くと、通学や仕事、家事などに支障が出ることがあります。外見からつらさが分かりにくい場合もあるため、どの姿勢や活動が難しいか、休むとどう変わるかを医療機関に伝えてください。治療の経過に合わせ、学校や職場での休憩、活動量など必要な配慮を相談します。 [6]

出典と情報確認日

  1. 厚生労働省 こんな時は迷わず119へ(資料日:表示日不明/確認日:2026-10-29)
  2. スポーツ庁 スポーツ外傷等による脳脊髄液減少(漏出)症への適切な対応について(資料日:表示日不明/確認日:2026-10-29)
  3. 奈良県 脳脊髄液減少症について(資料日:2026-02-27/確認日:2026-10-29)
  4. 神奈川県 脳脊髄液漏出症の診療が可能な医療機関について(資料日:2026-07-24/確認日:2026-10-29)
  5. CSF JAPAN 脳脊髄液減少症とは(診断・治療の解説)(資料日:表示日不明/確認日:2026-10-29)
  6. 神戸市 脳脊髄液減少症(資料日:2026-08-31/確認日:2026-10-29)

情報確認日:2026年10月29日。

本記事は一般的な情報提供を目的としています。診断・治療については医師にご相談ください。