脳血管障害とは、脳内の動脈が破れたりつまったりして血流がスムーズにいかなくなり、生命に危険をおよぼす可能性のある症状を起こす障害のことです。手足がまひする、感覚障害が起きる、失語症、言語障害、意識障害、呼吸困難などが症状に挙げられます。

前兆として次のようなものがあります。
・顔や手足が麻痺したり、片側だけしか動かせなくなる。
・めまい、立ちくらみ。
・口が閉まらない。よだれがたれてくる。
・目の焦点が合わない。
・何もないところでつまづく。
・人の言っていることが理解できない。
・片方だけ目が見えない。
・物が2つに見える。
・視野が半分になる。
などです。
これらの前兆は一過性脳虚血発作といい、短期間で症状が消えます。
ほっておくと3ヶ月以内に4~20%が脳梗塞を起こし、その半数が48時間以内に起こしていると言われています。

他者(家族など)が前兆を感じ取るには次のことをチェックしましょう。
・顔のゆがみ。麻痺している側がたるむので顔がゆがんでいるように見える。
・片腕があがっていない。両腕をあげるような場面で片腕だけだらんとしているなど。
・口の動き。ろれつがまわっていない、水が上手に飲めていない、など。
・言葉がすぐに出てこない。
このような一時的な前兆を見分けられると未然に大事を防ぐことができます。

前兆はだいたい2~15分くらい続いて元に戻り、血管が一時的に詰まるが、すぐに取れて元に戻る病態ですが、元に戻ったからと安心してはいけません。すぐに治療をしましょう。

たとえ軽症でも絶対にそのままにしないことです。すぐに入院して治療を受けることが大事です。
発病初期は安静が必要ですし、病状が急変してもすぐに対応してもらえることが重要なので、おかしいと思ったらすぐ入院するのが最善です。
また安定期後の後遺症があれば、リハビリを受けられる環境にいるのが良いので入院が必要です。

脳血管障害はほとんどが薬による内科的治療で、特殊な場合や重症の場合は外科手術を行います。特に高血圧による脳血管障害の場合は内科的な投薬治療がほとんどです。

手術は、重症のときに救命目的で行われます。
細い針による「血腫吸引術」も最近は行われています。

また発症後、場合によっては6時間以内であれば管を血管内に入れて血栓を溶かす治療が行われることがありますが、発症後はやく行ったときに効果があります。
時間の制約下で、病院の設備や医師、治療体制など揃ってこそ可能です。

外科医が、内頚動脈に70%以上の狭窄がある場合に傷ついた部分を切り取る難しい手術をすることもあります。熟練の医師が必要です。

女性の場合、死産、流産の経験をした人はリスクが死産は1.74倍、流産は1.16倍上がったそうです。
また若者や中年にも起きる病気です。首をひねる運動や、うつ病が原因となることもあります。

予防するには積極的な水分摂取が有効です。1日1リットル以上の水を飲むなどこころがけましょう。