病院の診療科には、さまざまな種類があります。特に外科系の診療科は、高度な技術を必要とする治療が多く、医師はそれぞれ得意とする分野を持っています。たとえば、外科系の1つである脳神経外科は、人体の中枢となる脳を扱う分野で、熟練した技能が求められます。有名な医師の1人に、大澤美貴雄という医師がいます。

大澤美貴雄医師は、東京都にある東京女子医科大学病院の脳神経センター・神経内科の准教授です。1974年に弘前大学の医学部を卒業し、同年、東京女子医科大学の総合内科に入局しました。以後、神経内科に所属しながら経験を積んで、イギリスのロンドンThe National HospitalQueen SquareのDr.A.M.Halliday研究室において、誘発電位の研究に従事しました。そして、2009年からは東京女子医科大学の神経内科にて、准教授として活躍中なのです。

大澤美貴雄医師は、日本神経学会・日本頭痛学会・日本脳卒中学会の専門医、日本臨床神経整理学会脳波・筋電図の認定医、編集委員会の委員、日本内科学会の認定内科医、指導医など、さまざまな立場で仕事をしています。非常に豊富な知識・熟練した技術が認められ、各分野で実績を上げているのです。また、2005年には『気になる「けいれん」を治す本―専門医がやさしく答える』という著書を出版しています。

大澤美貴雄医師が専門としているのは、脳神経外科関連の中でも、片側顔面けいれん、痙性斜頸に関する治療・研究です。本人の意思とは無関係に、不随意運動を引き起こすような疾患に対する治療を行っています。ボツリヌス毒素・ボトックスの局所注射をすることによって治癒する施術のスペシャリストとして知られています。脳外科における治療を行うことが多い分野ですが、開頭手術に抵抗のある患者さんは、神経内科での治療を受けるケースが目立ちます。病の治療と同時に、容姿を維持する必要性も伴っているため、治療には高度な技術が求められ、大澤医師のようなベテラン医師による施術が必要不可欠なのです。けいれんの治療を行う場合には、できるだけ副作用を起こさない方法を採用する必要があります。

ボツリヌス毒素・ボトックスによる治療は、常に認められているものではありません。現在の日本では、眼瞼けいれん、片側顔面けいれん、痙性斜頸の場合に限って承認されているのです。大澤医師は、ボツリヌスの治療を数多く経験している医師の1人です。全国各地から、大澤医師の施術を受けようとする人が集まってきます。

大澤医師は、患者さんの希望にできるだけ沿えるように治療方針を立てています。外科手術による治療をするしかない場合もありますが、大澤医師が考える最善の治療はボツリヌスによる療法なのです。効果が持続するのは、4ヶ月から5ヶ月程度の場合が多いため、定期的な治療が必須となりますが、中には治療が不要になるケースもあります。