清水克悦先生は、脳神経外科の名医とよばれています。大阪市生まれで灘高校を卒業後、慶応大学医学部を卒業し、弘生会宇都宮病院・静岡赤十字病院・慶応義塾大学脳神経外科で研修を受けました。ドクター取得後、米国ノースカロライナ州のWakeForest大学生理学教室に留学、その後、国家公務員共済組合連合会立川病院脳神経外科に勤め、現在は昭和大学の准教授です。

専門分野は、脳外科/顔面けいれん・三叉神経痛・良性腫瘍・頭蓋底腫瘍・脳血管障害・虚血耐性です。最終学歴は、慶応義塾大学医学部で、学位は医学博士です。博士論文は「アデノシン虚血時脳保護効果についての研究」です。主な著書は、英文27本、和文7本あり、基礎研究や臨床に関する研究論文は多くあります。

同医師は、鍵穴手術・頭蓋底手術手技を駆使したとても繊細な手術をおこなっています。この鍵穴手術は、鍵穴から神経や血管が集まる脳幹部を扱う手術で、高度な手術を行なっています。また、人間の自然な体位で、脳ベラで脳を圧迫せず脳への負担を極力排除した方法で手術を行なっています。2006年には、ある女優の片側顔面けいれんの手術を成功させています。

2012年の6月に現在の昭和大学に赴任。昭和大学での実績はまだ少ないのですが、前の施設では、過去3年で脳腫瘍74件、微小血管減圧術35件という実績があります。清水克悦先生の治療のモットーは、「良性腫瘍では新たな症状をださない」ことです。

頭蓋底治療においては、手術プラスガンマナイフ・サイバーナイフといった総合的な治療を行なっています。また、耳鼻科や眼科や整形外科との協力が必要な頭蓋底腫瘍の治療の経験も豊富です。下垂体腫瘍では、小さな腫瘍に関しては内視鏡手術で治療していますが、海綿静脈洞や頭蓋内へ進展した腫瘍に関しては、頭蓋底手術技法を用いて、顕微鏡手術を組み合わせた治療が最善であると考えています。

「医学はサイエンスであるべき」という考えで、患者一人一人の訴えや苦しみ、症状を十分理解した上で、一人一人にあった理想の医療を提供できる真摯な姿勢を忘れてはならないといいます。また、手術前には十分なイメージトレーニングを行い、手術中はこれでいいのかと常に自分を疑い、手術前の症状を改善し、術後に新たな症状を出さないということを心がけて医療活動に当たられています。基礎基本を大切にし、アクロバットな名人芸よりも、安全確実に完遂できる技法を大切にしています。それが結果的に多くの患者のためになると言います。

また、治療のほかにも次世代の脳神経外科医を育てることに力を入れています。そのため、医療スタッフや医学生にもっと魅力を知ってほしいと考えています。趣味は魚釣りやスキーです。現在の職場をアットホームな雰囲気にしたいと考えて医療活動にあたっています。