医師免許を持っていると、さまざまな診療科で就業することができます。しかし、中には非常に高い技術を持っている医師でなければ携わることが難しい領域があります。その1つが、脳神経外科です。脳というのは、人体にとって最も重要な部位であり、簡単には治療することができません。脳神経の領域には、高い医療技術を持っている名医が求められているのです。たとえば、福島孝徳という医師がいます。

福島孝徳医師は、1942年に東京都で生まれました。1968年に東京大学の医学部を卒業して、東京大学医学部附属病院にて臨床・研究医員になりました。福島孝徳医師が注目されているのは、研修医の頃に挙げた実績です。研修医1年目という浅いキャリアでありながら、世界初となる脳内視鏡・手術用ファイバーエンドスコープを開発することに成功したのです。この開発は、世界的にも注目を浴びることになりました。27歳という若さだったのです。

福島医師は、ドイツのベルリン自由大学Steglitzクリニック、アメリカ合衆国のメイヨー・クリニックなどの脳神経外科で、研究フェローとして経験を積んできました。1978年からは東京大学医学部附属病院の助手を務め、1980年からは三井記念病院で勤務をして、頭蓋底の鍵穴手術法を確立したのです。1989年から1990年にかけては、ロサンゼルスUCLA脳神経外科にて、頭蓋底手術のプログラムを開設しました。1991年には、南カリフォルニア大学医療センターの教授に就任して、アメリカ合衆国での永住を決意しました。

1994年には、ペンシルバニア医科大学アルゲニー総合病院の教授、アルゲニー脳神経研究所頭蓋底手術センター所長を歴任して、手術・講義を行うために世界中を駆け巡ってきました。また、自身のスキルを高めるだけでなく、後進のための活動にも従事してきました。たとえば、頭蓋底手術実習セミナーを開催することなどが挙げられます。

現在、福島医師はカロライナ脳神経研究所、デューク大学、ウエスト・ヴァージニア大学の教授を務めています。脳神経外科顕微鏡手術の領域において、全米トップの権威と評されています。

福島医師の手術実績は、非常に豊富です。福島医師がとりわけ力を入れて取り組んでいる頭蓋底手術は15000例以上に達しています。頭蓋底脳腫瘍手術は8567例、下垂体手術は2334例、脳動脈瘤手術は2000例以上、頭蓋底血管障害手術は773例、片側顔面けいれん・三叉神経痛・舌咽神経痛のキーホール手術は5934例です。

福島孝徳医師が大切だと考えているのは、患者さんを治療する際に、患者さんとのコミュニケーションをしっかりと図ることです。脳神経の領域というのは、非常に困難な治療になるケースが大半を占めます。特に、手術に至ることが非常に多いため、患者さんの不安を払拭してあげる必要があります。医師の技術には、治療だけでなく、患者さんの心理面にも配慮する力を含むのです。

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