脳の病気とその治療
頭痛
頭の痛みがひどくて学校や仕事を休んでしまった、家事が思うように出来ない、些細な事にもイライラして家族や友人など周囲の人々に当たり散らしてしまう、そんな経験をしたことがあるという人も多いのではないでしょうか。そんなつらい頭痛の治療法についてお伝えします。 まず、大きく分けて二つのタイプに分けられます。ひとつは「二次性頭痛」と呼ばれるもので、脳や体に何らかの原因や疾患があって起こるもののことをいいます。この場合の痛みは、体や脳の異変をいち早く知らせてくれるいわば警報機のようなものです。とくに突然起きる激しい痛みには、くも膜下出血などの命に関わる深刻な病気が隠れている場合もあるのでとても危険です。ま …
頸動脈狭窄症
頸動脈とは、胸郭内の大動脈で首を通って顔面と頭蓋骨内に入って脳に血液を供給する主な血管で首の左右にあり、総頸動脈は脳に血液を供給する内頸動脈と頭皮と顔に血液を供給するする外頸動脈に分かれています。 頸動脈狭窄症は、ほとんどが動脈硬化によって発生します。古いパイプに残渣が溜まってパイプの中が汚くて狭くなるように、頸動脈に主にコレステロール、中性脂肪、カルシウムなどが沈着して動脈硬化性病変が生じ、頸動脈内腔が狭くなったり、完全に詰まったりした場合、または動脈硬化性病変で小さな血管壁フレーク(塞栓)が切り離され、血流に乗って動脈に流れ込んで脳梗塞を引き起こします。 頸動脈狭窄症があっても梗塞が生じな …
髄膜腫
脳の病気として知られるもっともポピュラーにしてもっとも恐ろしい病気に「脳腫瘍(のうしゅよう)」がありますが、この脳腫瘍の中でも比較的ポピュラーな病気が「髄膜腫(ずいまくしゅ)」という病気になります。 髄膜腫の特徴は、脳腫瘍の中でも良性腫瘍であるケースが比較的多く、急激に悪化したり肥大化したりするリスクは低いと考えられています。近年では、検査の精度が高くなってきていることから、この病気が偶然見つかるケースも多く、しかも、発症からかなりの時間が経過していたというケースもそれほど珍しくはありません。つまり、悪性腫瘍とちがって、緊急を要する症状ではない場合が多いと言えます。中には、発症した時点でそれ以 …
パーキンソン病
あなたは、パーキンソン病という病気について詳しく知っていますか? パーキンソン病とは、主に40代~50代以降に発症して、ゆっくりと進行していく原因不明の神経変性疾患です。日本ではおよそ1000人に1人がこの病気であると言われています。日本全体では、およそ10万人以上の人々がこの病気と闘っています。徐々に進みつつある高齢化に伴い、今後この病気の患者数はますます増えていくことが予想されています。50代、60代で発症することの多いこの病気ですが、70代以上の高齢となってから発病することも少なくありません。また、時には40代になる前に発病することもあります。一般的には遺伝する病気ではありません。けれど …
ピック病
人間の二人に一人がなると言われているのが認知症ですが、この認知症の中でも特に厄介な症状がピック病です。これは一種の神経疾患のひとつであり、現在では前頭側頭葉変性症と言われ世間に広まっています。認知症にはこのピック病以外にも、アルツハイマーなどの症状が見られますが、この神経疾患はそれらに次いで多いとされています。この症状のポイントは、いきなり人格が変わってしまったかのように性格が変わってしまう事です。確かにアルツハイマーなどから比べると圧倒的に症状は軽いのですが、深刻化すれば万引き等の本来罪悪感を覚えてしまうはずの行動をとってしまう事にも繋がってしまいます。この事から、罪悪感や羞恥心などの人間が …
アルツハイマー病
人の名前や物の場所など、ちょっとしたことを忘れてしまうのはお年寄りに限らず若い世代にでもよくあることです。けれど年を取るにつれて、さらに忘れっぽくなってしまったりその度合いがひどくなってしまったりします。この物忘れが日常生活を送ることが困難なレベルにまで深刻化してしまう恐ろしい病気があるのです。 アルツハイマー病とは、認知機能の低下や人格の変化などを主な症状とする認知症の一種のことをいいます。大脳の委縮性疾患であり、進行とともに痴呆、失語、失行などの症状が見られる病気です。1907年に、ドイツの精神科医であるアルツハイマーが、記憶障害や認知障害が急速に進行して52歳で亡くなった女性の症例に関す …
自律神経失調症
自律神経は、活動する神経の交感神経と休む神経の副交感神経の2つでなりたっており、体の状態や環境に合わせて体温を調節したり免疫力を高めたりと自動的に自律して働く神経のことです。自律神経失調症とは、過剰なストレスがかかることで交感神経が働き続けている状態になり、交感神経と副交感神経からなる自律神経のバランスが崩れてしまうことが原因で心身に様々な症状が出る状態のことです。 人によって症状の出方が異なるため診断が難しい病気とも言われています。男女ともに起こり、発症する年齢も赤ちゃんなどの乳幼児から高齢者まで多岐にわたります。 自律神経失調症の原因として、圧倒的に多いのは心理的・社会的ストレスです。赤ち …
重症筋無力症
脳の病気のひとつとして重症筋無力症があります。これは厚生労働省が定める特定疾患に定められています。筋肉の力が弱くなることが主な症状であると言えます。眼の周囲の筋肉であれば、まぶたが落ちてくる、ものが二重に見える、目が疲れやすい、まぶしいなどの症状があります。口の周りの筋肉においては食べ物が噛みにくい、飲み込みにくい、唾があふれるなどの症状があります。顔の筋肉においては表情を作りにくいという症状があります。また、手足の筋肉においてはペンなどが持ちにくくなることから書きにくくなることや洗濯物を干しにくいなど日常生活に影響が出ることがあります。なお、すべての人が同じ症状を発症するとは限りません。また …
三叉神経痛
三叉神経痛とは、脳神経の一つである三叉神経が何らかの刺激を受けることによって主に顔面に激しい痛みが生じる病気のことで、男性よりも女性のほうが多いといわれています。 三叉神経は、目の上と眼窩、前頭部、鼻腔などを通る眼神経(がんしんけい)、目の下や頬、上唇、上顎などを通る上顎神経(じょうがくしんけい)、頬や下唇、頬、舌の一部などを通る下顎神経(かがくしんけい)の3つの神経に枝分かれています。 これらの神経には、痛みや熱さなどの知覚を司る神経線維が集まっているので、これらの神経に強い刺激が加わると、激しい痛みが生じると考えられています。 三叉神経痛には、患者一人ひとりに痛みを誘発させる原因となる特定 …
ギラン・バレー症候群
あなたは、「ギラン・バレー症候群」という病気を知っていますか?名前は聞いたことがあるような気がするけれど、どんな病気かは知らない、という人も多いでしょう。風邪のような症状がずっと続く、手足に力が入らなくなってきた、そんな人はこの病気の可能性があるので注意が必要です。 ギラン・バレー症候群とは、神経の中でも主に運動神経を傷害する病気のことをいいます。運動障害だけでなく、感覚神経にまで障害をきたしてしまうこともある病気です。この病気は、女性よりも男性の方がかかりやすいと言われています。小児から高齢者まで幅広い年代で発症します。とても珍しい病気で、日本では年間10万人に1~2人がこの病気を発病します …