頭の痛みがひどくて学校や仕事を休んでしまった、家事が思うように出来ない、些細な事にもイライラして家族や友人など周囲の人々に当たり散らしてしまう、そんな経験をしたことがあるという人も多いのではないでしょうか。そんなつらい頭痛の治療法についてお伝えします。

まず、大きく分けて二つのタイプに分けられます。ひとつは「二次性頭痛」と呼ばれるもので、脳や体に何らかの原因や疾患があって起こるもののことをいいます。この場合の痛みは、体や脳の異変をいち早く知らせてくれるいわば警報機のようなものです。とくに突然起きる激しい痛みには、くも膜下出血などの命に関わる深刻な病気が隠れている場合もあるのでとても危険です。また、頭の痛みとともに、片側の手足に力が入らなくなったりと感覚が異常になったり、視覚異常や意識異常が起きた場合には、特に注意が必要です。そのような痛みを感じたら、すぐに脳神経外科にかかって検査を受けることが大切です。

もうひとつのタイプは「一次性頭痛」と呼ばれるものです。これはとくに脳や体に病気があるわけでなくても起こってしまう痛みのことです。片頭痛や緊張型のものなどさまざまな種類があります。このような痛みは、成人のおよそ4人に1人が悩んでいると言われていているくらいに、実に多くの人々が苦しんでいます。現在ではおよそ3000万人の患者がいると言われています。この痛みの治療法としては、主に薬物療法が用いられます。薬物療法に用いられる薬には、激しい痛みがある時に痛みを楽にしてくれる頓挫薬と、痛みを起こりにくくしてくれる予防薬の二種類があります。あまりに頻繁に激しい痛みが起こる場合には、その頻度や程度、持続を減らしてくれる予防薬を服用します。予防効果のある薬には、塩酸ロメリジンなどたくさんの種類があります。病院で処方してもらいましょう。予防薬を服用しても痛みが起こってしまう場合には、頓挫薬を服用すると良いでしょう。この頓挫薬を服用するうえで大切なことは、痛みがはじまったら本格化してしまう前に早めに薬を飲むことです。痛みが本格化してしまうと、薬を服用しても効果がなかなか感じられず、また吐き気などを催して薬を飲みにくくなってしまうので注意が必要です。頓挫薬と予防薬の二つの薬を上手に使い分け、バランスよく組み合わせて服用することが、慢性的な痛みにはとても効果的です。

また、とても効果のある治療法として、生活習慣の改善があります。姿勢を良くしたり、パソコンを使う環境を見直したり、生活に運動を取り入れましょう。長時間同じ姿勢を続けたり、前かがみやうつむき姿勢を続けると痛みの原因となってしまうので注意しましょう。デスクワークで肩こりなどを感じた場合は、遠くを見つめて、頸部や肩をマッサージしましょう。このような些細な事の積み重ねが、症状の改善にはとても重要なポイントとなってきます。生活習慣にも常に気を使うようにしましょう。

つらい痛みですが、病院に相談して適切な治療を受ければきちんと治すことができます。また、深刻な病気が隠れている場合もあるので、痛みがひどいときは病院を受診しましょう。